LeTarot版ジャック・ヴィヴルのマルセイユ・タロット/Tarot de Jacques Vieville Letarot.com Editions
ジャック・ヴィヴル版は、マルセイユ版の亜種として知られています。
製作年代は推定1643-1664年、これは当初、現存する最古のマルセイユ・タロットノブレ版にも記されていた同一表記で、2つのタロットはほぼ同年代に生み出されたものと考えられています。フランス国立図書館他、各所で推定1650年と表記されていることも多いのは、この間をとってのことなのでしょう。
1643年フランスでは、突然のルイ13世崩御により、後継者としてわずか4才の幼少ルイ王が誕生。
彼の治世は1715年まで続きますが、注目すべきは1661~1689年にかけて行われたヴェルサイユ宮殿の建造。まさに歴代のキング・オヴ・キングとは彼のこと。栄華を極めた太陽王の国フランスですが、度重なる戦争と重税の負担に大衆が追い詰められていく時代でもありました。
こういった時代背景をもつジャック親方のタロット、ぜひ、ナディア・オフィスの日本語解説書と共にお楽しみいただければ!最下部に楽天市場情報ございます😊
- まずは原版を観てみる? 当サイトのヴィヴル版フランス国立図書館のデジタル書庫情報
ここでは一気に全体像をご覧いただきたく、日本語解説書の3ページ目をご紹介。
まず大アルカナについては、前半のおおよそ12枚にある種の違和感を覚える方もいらっしゃるのでは。
★特に、あれれ?12番の絵っておかしくないですかね?絵柄が、標準的なマルセイユ・タロットの図像とは上下が反転しています。誰かが何か間違えたのかな?
こちらがいわゆる標準的なドダルのマルセイユ・タロットⅫです。
おっと、ローマ数字に注目!こちらのローマ数字は12ではないですね。ちなみにドダルのフランス国立図書館の原版全画像はこちらです。
★ヴィヴル版の大アルカナ22枚の内、
前半の12枚の絵柄について、ことごとく標準的なタロットとは対照的に、左右反転している!
ここにメイカーLe Tarotは研究意識を燃やしたのです。
ぜひ!この神秘な謎に、共にせまってみませんか?
最後に、AmazonでドダルのLe Tarot復刻版に手痛いレビューをお書き頂いておりますが、
こちらのメイカーはわざわざ、図書館に保管されている色あせたタロットではなく、もともとのオリジナルの色彩で復刻を果たしたタイプのタロットであることを明記申し上げます。
どちらでも同じ画像で恐縮ですが、タロット日曜美術館で紹介している画像をここに。バザラ十二神の色彩復刻を果たされた日本のプロジェクトさんもいらっしゃいまして、
東西問わず中世・近世の美術作品、今では美術館で色あせ、モノクロ化している多くの絵や彫刻作品が、当初は下記のように鮮やかなものだったのです。
また、「版画」という作品の性質上、左右反転現象は発生しやすいという特徴があります。何ごとも、ルールは時間とともに形成されていくものですから、厳密なルールの縛りがない初期のタロットには「反転」現象が観られて然りとも。
そしてまた、大事なことがありました、ヴィヴル版22枚のアルカナ後半の絵柄の、なんと象徴学的に貴重なデザイン、後世の色々なところで登場する、二つの壺、生命の木、羊飼い、糸巻きをもった月の女神、コンパスをもった占星術師・・・フランスの研究家たちはこの半分の図像が残されていることに感謝さえ覚えると、引き続き調査・研究を続けていらっしゃる方が複数いらっしゃいますよ。
掲載タロットのスペック
・カードメイカー/Le Tarot
・作者/Jean-Claude Flornoy
・制作年代:1643-1664年頃の作品の復刻版
・カードサイズ:13.2×7.3cm
・箱の中に英文ブックレットなし
・総札枚数:44枚
・ナディアオフィス・オリジナル日本語解説書付
・44枚の大アルカナのセットです。
まずは、22枚の原版を忠実に復刻、当時の色彩をヴィヴィッドに再現させたヴァージョンが入っております。
マルセイユ・タロットの伝統=カノンに則って作成されたもうひとつの大アルカナ22枚のセットが入っているという、何という試み!
いつもアップありがとうございます。
カノンのVI(天使が左向き)がお見えになりません、、、、
言い方!素敵ですね、「お見えになりません」使わせていただきます!
なんと、スキャンもれでした。。大抵ミスるところはスキャンの時点でいかんことをしております。
毎度、恐縮ではございますが、今後とも何卒、宜しくお願い申し上げます!
ありがとうございました😊